PEGIDA(Patriorische Europaer gegen die Islamisierung des Abendlands)は欧州イスラム化に反対する愛国的ヨーロッパ人の略称だそうだが、この代表だったLutz Bachmann氏が代表を辞任した。
この原因となったのは彼が以前Facebookに掲載していた自身がヒットラーに扮したような写真と、過去に書き込んだ外国人に対する蔑視のコメントが見つかった、とのこと。今は既に削除されている。
この集団は欧州のイスラム化に反対する、ということで、極右や極端な外国人排斥とは一線を引いている、というのが表向きの立場だったようだが、デモや集会に参加する人たちの中にはこういった人も含まれている、と指摘されてきていた。
まさにこの集団の代表者の過去に、こういった考え方があったということが表面化してしまったことで真の目的はなんなのか、ということが大きな懸念となった。
ドイツではヒットラーを礼賛する発言を公の場でするだけで犯罪となる。お店で店員を呼ぶときは手を挙げるだけではなくて人差し指を立てて呼ぶ、とか気にしている人もいる。
それほど、ヒットラーを想像させることを避ける、とか戦前に行ったことに対しての反省と二度と起こしてはならない、といった思いが大半のドイツ人の共通したものとなっているのだと思う。
極右やヒットラーを想像させるようなことが起きると必ずそれを否定する理性的な人が行動を起こす。
今回のPEGIDAのデモもだんだん参加者が増えてきたところで、これまでの参加者を大きく上回る人が反対集会を開いたことでもそれが分かる。PEGIDAに反対する集会では公式発表35000人に対してその2日後に開かれたPEGIAの集会はこれに刺激されたところもあるはずだが、25000人(これでも過去最高ではある)。
反PEGIDAの集会にはザクセン州知事、ドレスデン市長を初めとして、ドレスデンやその周辺に多くの雇用をもたらしているGLOBALFOUNDRIESや、学校の成り立ちからも多様な人種が集まっているDreden International Schoolの代表も参加した。GLOBALFOUNDRIESの主な出資者の一つはアブダビ首長国の投資機関ATICである。
このまま集会やデモが大規模になってお互いが衝突するようなことを避けるためにも今週の集会は当局によってあらゆる集会、デモの禁止へとつながった。
Lutz Bachmann氏の代表辞任が今後のPEGIDAの活動にどう影響するかはこの後も注意しておかねばならない。また、彼がこれからどういう行動をしていくのか、も。まずは今度の月曜日に集会が開かれるのか?だ。
前回の月曜日は警察当局によって全ての集会、デモが禁止されたが、これを毎週やるわけにもいかないだろう。